生活習慣病

生活習慣病
近年、日本人の死亡原因の上位の中に、心疾患と脳血管疾患が含まれていることはご存じのことと思います。これらを引き起こす原因としてあげられるのが、糖尿病や高血圧をはじめとした生活習慣病です。

お一人ひとりに合った生活習慣の改善と治療をご提案いたします

1.糖尿病

糖尿病は、血糖値を下げる働きのあるインスリンの作用が不十分となり、血糖値が高くなる病気のことです。初期の段階だと自覚症状はほとんどありませんが、進行するにつれ、のどが異常に渇いたり、尿の回数や量の増加、体重の減少や全身が疲れやすくなるなどの症状が現れます。
糖尿病は、「1型」と「2型」に大きく分類されます。

1型糖尿病
子どもや若年層での発症が多いのが特徴で、インスリンを生み出す膵臓の細胞が壊れることで、インスリンが分泌されなくなる疾患です。そのため、治療はインスリンの補充を行うことで症状の改善に繋げていきます。
2型糖尿病
加齢や遺伝的要因のほか、食べ過ぎや運動不足、肥満、ストレスといった生活習慣が主な要因で、日本における糖尿病患者の約9割を占めています。
ほとんどの場合、糖尿病を完治することは困難ですが、継続的な血糖コントロールによって血糖値を適正に保ち、それと同時に生活習慣を改善し体重や血圧、血中脂質を良好な状態に保つことができれば、糖尿病によるさまざまな合併症(網膜症、腎症、神経障害)や血管障害(冠動脈疾患、脳血管障害、末梢動脈疾患)のリスクを軽減することは可能です。

2.高血圧

高血圧
高血圧は、血圧が基準値を超えて慢性的に高く維持されている状態のことです。
心臓は絶えず血液を全身に送り出すためにポンプのように動いている器官ですが、その際に血管にかかる圧力のことを血圧と呼びます。
血圧には収縮期血圧(最高血圧)と拡張期血圧(最低血圧)があり、最高血圧が140mmHg以上あるいは最低血圧が90mmHg以上の場合、高血圧と診断されます。血圧が高い状態が続き、血管の壁がダメージを受けたり、心臓に負担がかかることで、動脈硬化や狭心症、心筋梗塞、脳卒中、腎臓病などさまざまな病気を引き起こしやすくなります。
高血圧も糖尿病と同じく、遺伝的要因をはじめ、塩分を摂りすぎる食生活やたばこやお酒の過剰摂取、運動不足や精神的ストレスなど環境要因が重なることで発症します。
即席麺や漬物など塩分の多い食品を控え、食塩摂取量を1日6g未満とする食事改善が推奨されています。食事療法だけでなく運動療法も効果的で、それでも血圧が下がらない場合は血圧を下げる降圧剤が必要になります。降圧剤にはさまざまな種類があるため、病状によって使い分けたり、いくつかを組み合わして投与したりするなど、患者さまお一人おひとりに合わせた治療法をご提案しています。

3.脂質異常症(高脂血症)

脂質異常症は高脂血症とも呼ばれ、主に血液中のコレステロールや中性脂肪の値が慢性的に高い状態のことです。女性の場合、閉経後はホルモンとの関係でコレステロールが高くなりがちなため、「こんなに体調に気を付けているのになぜ?」と疑問をお持ちの方もおられるかと思います。一般的にLDLコレステロールは悪玉コレステロール、HDLコレステロールは善玉コレステロールと呼ばれます。コレステロールが高い状態が続くと、動脈硬化の原因になりますので注意が必要です。
自覚症状がないため、知らず知らずのうちに悪くなりがちですが、体重を減らすことや適度な運動、禁煙といった生活習慣の改善を行うことで、動脈硬化のリスクまたは進行を抑えることができます。

4.高尿酸血症(痛風)

高尿酸血症(痛風)

血液中の尿酸が多くなり過ぎている状態が高尿酸血症で、それが要因となって痛みを引き起こすのが痛風です。足の親指の付け根などが腫れることで激烈な痛みが襲い、一時的に痛みが引いても再び発作を起こすことが多いのが特徴です。我慢して放置していると、腎機能の低下にも繋がりますので、治療が必要です。
治療で大切なことは、まず尿酸値を下げることが大前提です。そのためには、尿酸のもととなるプリン体を多く含む食品の摂取を控え、栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。特にビールはプリン体を多く含みますから、飲酒は控えましょう。
食事療法だけでなく適度な運動によって、肥満の解消に努めることも大切です。尿酸値は、6.0mg/dL以下を目標にゆっくりと下げていき、下がった数値はしっかり維持できるように、食事療法などで効果が出ない場合は薬を服用することで尿酸値を抑えます。

生活習慣病は一朝一夕で改善するものではありません。継続することが最も大切ですが、始めから厳しい制限を設けていては続くものも続かない場合があります。当クリニックでは、患者さまの意向をくみ取り、無理のない形で治療を継続できるように努めています。

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